当日の特選作
一人10句出句・全90句内 中杉隆世・他 選
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中杉・高野特選
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年取りやいま倖せの爪を切る 高嶋 衡
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私が選んだ特撰・入選が中杉選と奇しくも同一だった。
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中杉隆世(主宰) 特選句 評
年取やいま倖せの爪を切る 鵆
原句上五「年暮るる」でも一応感じは伝わるが、詩語としての飛躍にとぼしい。
年末を表す季題で似たものには「年忘れ」「年の暮」「歳年」「歳晩」「大年」
「大晦日」「年の夜」「年越」「年の尾」「年寄る」「年籠」「除夜」等々数多くあるが、
俳句になるかならないかは、
内容と一致しそれを昇化させるものを選ぶことが大切である。
私はその中から「年取(としとり)」という言葉を選んでみた。
「年取」・・年(とし)取(とり)・・・年もいよいよ暮れ果てゝ除夜の鐘の打ち始められる頃、
にわかに年を取るという感じが深まる。世人が年迎えの行事に浮かれている中、
ひとり年を取る思いに浸り、その来し方に満ち足りた思いで幸福を感じ取っている姿が
「爪を切る」というさりげない動作の中に表現し得ていると思う。
「年の尾」でも近い感じは出るが、「年取」という老境に通う言葉が最適と思われる。
※俳句は季題の詩である。どれを選ぶかそのセンスで決まる。(隆世)
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中杉・高野入選 |
煩悩のはや生まれ出づ除夕かな 高嶋 衡
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中杉・高野入選 |
冬ざれや無一物にて出棺す 高嶋 衡
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中杉・平岡入選 |
童心に返る卒寿よ歌留多取り 高野虚石
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いつの頃からだったろう。
たぶん・・2019年2月、熊野古道へ行ったとき
座右の銘に「自然体」として詠んだ。
草萌や座右の銘の「自然体」 虚石
その頃から、ジワーと自分が変わってきたのではないか。
昨今、家内が私に言いました
「童心に返ってきてる」見たいに、他愛ないことでもよく笑うようになった、と。
そう言うと、いよいよ老境が板に付いてきたようだ。
天真爛漫・天衣無縫・天網恢々などの心境でいつも気分が良い。
自分でも屈託がなく、じゃなき笑顔で生きているように感じています。
老いも若きも男も女も皆さま、人当たりがよくなって、いつも自然体。
高野 記
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平岡入選 |
歳は歳吾は吾なり初泳ぎ 高野虚石
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平岡入選 |
師よ母よいま曲がりかど年始め 高野虚石
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