淡水句会

2020年1月16日(木)


高野虚石:吟詠俳句集




 
月例 淡水句会


                                  高野圭介




どんどん和気藹々の雰囲気。 矢張り皆がずーっと顔を合わせて居るのはベスト。





当日の特選作


一人10句出句・全90句内   中杉隆世・他 選


中杉・高野特選

 

年取りやいま倖せの爪を切る    高嶋 衡


私が選んだ特撰・入選が中杉選と奇しくも同一だった。



中杉隆世(主宰) 特選句 評

年取やいま倖せの爪を切る      鵆

原句上五「年暮るる」でも一応感じは伝わるが、詩語としての飛躍にとぼしい。
年末を表す季題で似たものには「年忘れ」「年の暮」「歳年」「歳晩」「大年」
「大晦日」「年の夜」「年越」「年の尾」「年寄る」「年籠」「除夜」等々数多くあるが、
俳句になるかならないかは、
内容と一致しそれを昇化させるものを選ぶことが大切である。

私はその中から「年取(としとり)」という言葉を選んでみた。
「年取」・・年(とし)取(とり)・・・年もいよいよ暮れ果てゝ除夜の鐘の打ち始められる頃、
にわかに年を取るという感じが深まる。世人が年迎えの行事に浮かれている中、
ひとり年を取る思いに浸り、その来し方に満ち足りた思いで幸福を感じ取っている姿が
「爪を切る」というさりげない動作の中に表現し得ていると思う。
「年の尾」でも近い感じは出るが、「年取」という老境に通う言葉が最適と思われる。

 ※俳句は季題の詩である。どれを選ぶかそのセンスで決まる。(隆世)

 中杉・高野入選  

煩悩のはや生まれ出づ除夕かな   高嶋 衡

中杉・高野入選
冬ざれや無一物にて出棺す      高嶋 衡

中杉・平岡入選   
童心に返る卒寿よ歌留多取り     高野虚石


いつの頃からだったろう。 
たぶん・・2019年2月、熊野古道へ行ったとき
座右の銘に「自然体」として詠んだ。

草萌や座右の銘の「自然体」  虚石


その頃から、ジワーと自分が変わってきたのではないか。

昨今、家内が私に言いました
「童心に返ってきてる」見たいに、他愛ないことでもよく笑うようになった、と。
そう言うと、いよいよ老境が板に付いてきたようだ。

天真爛漫・天衣無縫・天網恢々などの心境でいつも気分が良い。
自分でも屈託がなく、じゃなき笑顔で生きているように感じています。
老いも若きも男も女も皆さま、人当たりがよくなって、いつも自然体。

                                      高野 記

平岡入選   
歳は歳吾は吾なり初泳ぎ        高野虚石

平岡入選
 
師よ母よいま曲がりかど年始め     高野虚石
















虚石句自解

自解
初夢を見た・・・山登りのリアルな夢である。



普段は夢など見ない。 バタンキューで寝てしまう。
トイレに起きても、夢など、ご縁がないのに、初夢!

         
 2020年1月2日   高野圭介


初夢  
初夢やうつつの人と山登り      高野虚石

 
初夢や高きに登りヤッホーヤホ   高野虚石

 
初夢や富士鷹なすび未だ見ず    難波和子

句一  
紅顔もたちまち轆轤去年今年     高野虚石

句二   
目と鼻のシュールレアリズム初鏡   高野虚石






たる人間よ