チロルのトレッキングと碁


ドナウとラインの分水嶺の辺りで、ゆったりと日は過ぎた。







中山典之先生の蘊蓄


晩餐同席の間に間に


「離れへんでぇ」


東京都  塩沢孝子

「弱い方の西村」
イシュグルに骨を埋めて

チロルの碁 on parade


打ちまくった碁の特選棋譜





中山典之先生と共に過ごした十二日間

                                              高野圭介





 中山先生のお誘いで、チロルへ行くことになった。
 行くと決めたが、何も分からない。第一、チロルがどこか、それから始まった。

ウィリアムテル序曲に「チロル人の合唱」がある。
スイスがオーストリアに併合されていた頃のこと、
ハプスブルグ家の悪代官に悩まされ、反旗を翻した人々の
独立へのエピローグとなったとも言われる「ウィリアムテルの弓」は
よく知られていて、チロルがスイスか、オーストリアか、判然としなかった。


愛知の地球博でオーストリア館へ入って、チロルの資料をどっさり送ってもらった。
何でも、インスブルグがチロル地方の中心であることが分かってきた。
 インスブルグへは西回り世界一周・二ヶ月の旅のとき、立ち寄って、川の水が雪解けの水で、
生コンのような灰色で、渦巻いて流れていたのを思い出すぐらいだった。

 我々の Goldener Adler Hotel 作成の2005年カレンダーに、こう印刷されている。
 Juli 13.7 bis 23.7.05 GO-TREFFEN mit unseren Japanischen Goesten.
 つまり、昨年から、到着・帰路時間も決まっていたわけだ。





 滞在中の明日の日程は全く白紙で、
前夜に、クルツおばさんとヨシエさんの二人の合議で決まる。
天候急変の山岳地帯独特の changeable schedule だもの。
 天気ならば、トレッキング。雨ならば碁。これが原則。

 参考までに、
トレッキングはアルピニストの山登り。
ピクニックはハイキングの食事。





 今回の7月、チロルの日程を振り返って、

12日 八重洲の「いずみ碁サロン」で、福岡弘造君と碁を打って、ホテル入り。
13日 飛行機の中で、中田良知さんと碁3局。
14日 時差ボケ身体用の軽い散策。岩間滋さんと碁。
15日 高低差1000メートルの「乙女の池」まで、往復5時間の強行軍。
   途中、中山典之先生が啼兎と遊んで、山探しのハプニング。
16日 山小屋で碁。ライン川とドナウ川の分水嶺へ行く。
   ドイツのチゾーさんと碁
17日 登山靴が無く、体力もおぼつかないので、トレッキングは断念。
中山典之先生と後藤聡さん・山西キミ江さんと碁。
18日 山小屋で、安倍吉輝先生と碁。
19日 南チロル・ミラーノへオプション・ツアー。
20日 中山先生・塩沢孝子さんと碁。
21日 山小屋で、ドイツのハンスさんと碁。ハイデさんと第九・野薔薇の歌。
22日 サムナウンへリフトに乗り継ぎ、雄大な山岳遊び。
   オーストリーのヘルムートさんと最後の碁。
23日 飛行機の中で、中田良知さん・塩沢孝子さんと碁。
24日 静岡で、水野勇さん・大石静子さん・木野文子さんと碁。帰宅。





 楽しく、嬉しいことがいっぱい溢れるほどあって、
いつまでも若いつもりですが、
すべて年相応で時差に弱く、
74才という体力の限界をよく知りました。
今後の生活の規範としたい。