碁とはどんなゲーム?
(核心を衝く)

                                       高野圭介

太極拳の呼吸法
兵庫のジムに行くとき、20分ばかり時間がある。
たまたま、駅の構内に本屋があって、ちらちらと見て歩くが、
たいてい健康に関する書棚の前だ。

曰く「余り食べるな」「毎日絶食」「呼吸力」「身体のバランス」・・・
その中に「腹式呼吸」が目に止まった。

それから
「腹式呼吸」の研究を太極拳にぶつけてみた。

あに図らんや、
太極拳の師・佐藤靖子先生の眼の色が変わった。
「太極拳ここにあり」という成果を得たのである。

つまり、太極拳の核心を衝いていたのである。


テニスのサービス
今、テニスのサービスの研鑽に独り取り組んでいる。
そもそもの発端は、日本の障害者・車椅子テニスのテニスプレーヤー・
国枝愼吾選手のサービスがグランドスラムを果たしたNHKの放映である。

私が見た彼の上半身の捻りから繰り出すサービスに刮目した。
テニスで、一つの動きの壺を押さえたら、
すべての動きが変わってくるだろう、
という憶測を確信している。

辰野蘭子コーチはそれならば、
サーブに加えて、ローボレーを我がものに出来れば、
ストロークの労力の省略という加齢者向きのテニスが出来る」。

なるほど
絶対に転ばず、走らずを前提としたテニスでは
叶わぬまでも、目指すテニスの在り方として
核心に迫る一つの突破口にならないか?


ゴルフ・軸の回転
ゴルフも難しい。自力整体の海野る美先生によれば、
野球でも、ゴルフでも同じ事。
身体の(軸の)捻れを戻す回転で打つのだそうだ。

その、回転動作の中で、
北井節子キャディ(シングルプレーヤー)は喝破する。

ゆっくり振り上げて、よく球を見て、スパッと振り抜け。

これだけのことが、
理屈で分かっていても、それが実際となると違ってくる。
毎回、いろんな失敗を重ねているのが不思議だが、
事実だから甘受しよう。

やはり核心を衝いていないのだ。

碁の核心は?
碁に関しては、その昔、
小山靖夫九段からいみじくも素晴らしい言葉を頂いた。

「碁とはどういうゲームか、それをいち早く把握した者が伸びる。」と。

何十年もの間、模索し続けてきたが、いよいよ難しい。
毎月毎週、家田隆二八段、橋口美香四段
手厚いご指導を得て、研鑽に努めている。

攻められたらダメ。籠もってしまったらダメ。しからば、
一歩先を行け!ということになるが、果たして
「碁とはどういうゲームか」。

昨今、一つの答えを提示した。
生涯初の、高野の新手」である。
これは碁の核心のどこかの部分を覗けたのでは?
そう、思っている。

でも、あくまで自力で
碁の核心を追い続けなければならない。