第61期王座戦挑戦手合五番勝負 第3局 11月20日(木)

互先 村川大介七段  vs  先番 井山裕太王座
          
     先番コミ6.5目出し

251手完 黒2目半勝ち
                            
    2014年11月20日
                                        高野圭介 ネット観戦記

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井山裕太王座 vs 村川大介七段



解説は 結城 聡九段。

碁吉会との碁縁浅からぬ棋界トップ三人の登場である。
またまた三巨頭に声援を送りながらの観戦記である。


第5手右上シマリとは古来からの布石理論そのまま。白黒共に一切のケレン味が無い。
見習わなきゃ。結城評が実にきめ細やかで、とても分かり易い。

黒17二間ヒラキは手を残していない。勉強になった。
黒25カタツキこそ井山マジック。隅の三子は普通、封鎖を避けるもの。

 


62サガリでランチタイム。 今、形勢判断をしてみると、

1.地合の問題よりも、上辺、白黒のそれぞれの一団の働きが白はつまらん感じだし、
黒は白を消して、おまけにノビキッた黒41が辺りを睥睨している。


2.黒の傷は白、ほとんど無いが、白はキリ味があちこちに散見される。

3.二線の石は黒2個。白5個。白はカライと言うより、二線に屈服されている。

こうして分析してみると、白には危機感を感じるのだが。




白62まで、黒が白を自陣に追い込んだ。好調のはずの黒地が減った。
白66は清成九段指摘の手筋。そして、黒69が世界一厚い今村バリの厚い手。

この流れは井山の心中の緩みを物語っている。つまり、黒は優勢に緩んだ。

時は流れて、
中央下
、村川マジック・白98トビツケ。おそらく誰の予想にも無かった強手。
ここで、一気に逆転!黒は辛苦の臥薪嘗胆時代が来た。

 
白はいよいよ土壇場。最後の仕上げである。

上辺白134は8目の手(結城評)これで決まり!と白は意気込んだに違いない。
ところが、中央、黒137モドリが厚く、井山マジックの始まりとなった。

それから、あれよあれよと見る間に、大逆転!白勝ちが黒勝ちとなった。
どうも、白134で137と打てば、そのまま終局のようであったのでは。

嗚呼、やんぬるかな。

 
本局の総括に当たって、基本的なことを考えてみた。

                                    高野圭介

1.黒25・井山マジック No..01 は左上の変化定石にあると睨んだ。なるほど、
昨今、廃石ともされる定石は、生まれたときの新鮮さは消えているのでは。
つまり、隅はハネたりして、力を入れて打つところでは無いということか。

2.井山と雖も、黒47は48の方が地も大きいし、理に適っているのでは
そして、先手が回れば、左下に向かう。アマの勘ぐりだが。

3.山田規三生九段指摘の白104 好手は村川ハイセンス。勝着。

4.山田規三生九段指摘の白の敗着は白132緩い。
更に、150ヒキ。166がが疑問手。・・・アマでは難しいが・・・
どうも、最後の最後まで白に残っていたようである。

本局、白にとって、最初から最後まで、左上が鬼門となった。