第61期王座戦挑戦手合五番勝負 第4局 12月8日(月)

井山裕太王座 vs 村川大介七段

総括

村川大介王座戦第3局レポート             
村川大介王座戦第2局レポート
村川の無念・棋聖戦挑戦者手合い 
村川大介王座戦第1局レポート
井山vs村川:名人戦第1局解説会 
 名人戦第4戦の大盤解説者・村川大介七段
 囲碁誌、徐々に村川に集中・・・第7報
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金山教室の偉才・・・第5報 
村川大介七段の強さ・・・第4報
  喝采・村川大介の歴史的勝利・・・第3報
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                                      浜辺荘:高野圭介 総括

 
第4局直後の感想です。

                                  浜辺 荘

村川は、ついに井山を捉えた感のある碁でしたね。
黒、足早の碁でしたが、白はコウ財を頼りに、難解な碁に持ち込みました。
井山の仕掛けを受け切って勝った意味は、非常に大きい。

碁吉会HPに投稿した、僕の予言、「一勝すれば流れが変わる」は当たりそうな気がします。
鳥羽は、馴染みの多い所です。何も予定が入らなければ観戦して来ます。


第4局総括


                                  浜辺 荘

王座戦1勝2敗と、崖っぷちに追い詰められた村川大介が、
大雪に見舞われた仙台での第4局にどんなパフォーマンスを見せるのか、
興味津々でしたが、早朝より高野先生からメールが飛び込んできました。

いよいよ正念場です。村川の本領を信じて、応援観戦します。kei

実は第三局も、終日お互いインターネット観戦で、
ポイントになる場面ではメールをやり取りして感想を述べあっていたのです。

終盤迄村川有利で進んでいた碁を、井山の世にも不思議なマジックで、観戦者さえもボー然と
させる様な逆転劇を見せられ、第二局に続いて村川の連勝間違いないと信じて疑いのなかった、
高野先生も流石にショックが大きく。こんなメールも送られて来ました。

第三局、力が抜けました。書く気もしません。kei

そして第四局です。
このまま井山に押し切られるのではないか、誰もがそう思ったことでしょう。
しかし、これ迄の戦いぶりを見て常に正面から正々堂々と構えている村川に対し、
変則とも言える石を序盤から繰り出して、勝機を見出そうとしている井山の碁を見ると、
追い詰められているのは、寧ろ井山の方ではないかと思ってしまうのでした。

普通に打っては普通に負かされてしまう。その様な危機感を井山が抱いていたに違いない。

第四局はこれ迄と違って作り碁にはなりませんでした。
壮絶な攻め合いとなり、最後は井山の大石が息の根を止められました。
誰がこんな激しい碁を想像したでしょうか、

半目負けも100目負けも、負けは負け、これ迄の対戦で、細かい碁にしては危ないと感じた
井山が、危険を覚悟で自ら最も得意とする闘いの戦場に村川を引きづり込んだのです。

井山の作戦は、成功したかとも思われましたが、
村川は怯むことなくあらゆる手練手管を全て受け切り、堂々と押し切りました。

この勝利で村川は一皮も二皮も剥けたことでしょう。
ある意味彼にとって、タイトルを獲得するより大きな意味を持つ勝利だったのではないでしょうか、
彼は少年時代と同様、倒されても倒されても一回り大きくなって、向かってくるのです。

いよいよ鳥羽での決戦が面白くなりました。

 

ムラカワ・エール

                               高野圭介

王座戦、いよいよ大詰めとなりました。

 昨日の碁はこれほどの壮絶な世界は見たことが無いというような、凄い碁で、
浜辺さんとネットにかじりついて観戦していました。

 右辺、黒77切った辺りからは,私には見当も付かない戦いで、最強の碁でした。
碁の醍醐味に酔いしおれました。

 コウの後、下辺の活きに焦点が絞られたのですが、
 黒167手のとき、単に一線にオサエて活きがある、と浜辺さんに伝えました。

 後で調べると、やはり活きはありませんでした。私の勘違いでした。
 秒読みの中で、この実戦詰碁が、直感として読めるんですね。

 いよいよ12月16日です。先生の快挙を心よりお待ちしています。
 ささやかでも、碁吉会挙げての祝勝会を考えています。
もちろん、関西棋院の祝賀会にも第一番に参加しますが。

 ここに改めて、先生の武運をお祈りします。



ヨミの早さ深さ正確さをまざまざと見た


                               高野圭介

曲折があって、最終ランド、黒181で、一線に押さえる・・・・それで生きている
「詰め碁の盲点」があったと思った。

 。押さえて、白が五子を取ったとき、カケツギで活き。
切ったら、一子を取って、白手入れのとき、下から取って活き。
 ところが、
その他のオキの、変化も検討を加えると、活きの無いことが分かった。

両者は、こんなのを秒読みの中で正確に読み切っているのだ。