碁の弁証法的考察



                                                       高野圭介


弁証法は対立物の統一と闘争の法則と把握されているが、
ドイツ古典哲学がとくに弁証法に深い関心をしめして
カントをはじめとしてそれについての考察がある。

ヘーゲルにいたって、それはもっとも包括的に述べられ、
その法則についても語られ、それを世界全体をつらぬく一般法則として示した。

これを基礎にして思考の発展法則もなりたつとする。
それは、自然・社会、にも適応されるもっとも一般的法則なのである。
もちろん囲碁思考・哲学が不断に変化し、
かつ発展していることを認めるところを解明しようとするものだ。

二つの柱・1. 量的変化から質的変化への、移行の法則
2. 正合反の、否定の否定の法則。


このように、囲碁の棋力も、前進的であり創造的であって、
停滞にではなく、積極的な活動へとむかわせる。

私の場合、上記の2つの法則がどのように見られるか?検証したい。


碁の構成に対立物の統一に地と模様。闘争の法則に柔らかい手ときびきびした手。など。

 1.
量的変化から質的変化はヨミの質量とか、学習の質量が
碁の内容に与える変化と把握したい。

プロへの過程とか、碁への姿勢などである。

 
 2.
正合反の、否定の否定は現状に甘んじていないで、
例えば攻めの碁と守りの碁、中の碁と周辺の碁、などの長短を反省修正。

碁の棋理・奥義に近づく。

 
 3.
実戦には理屈を超えた要素。それは勝敗を規制する理外の理。
気合いとか、精神問題である。

怖じず侮らず、やる気で打て!





 否定の否定の変遷



家田隆二八段 vs 高野圭介(2子から先へ)

  
 2003年11月6日 2子局
碁は負けながら勝つのが良い

 2004年9月16日 2子局
中央分断に新機軸
 
 2005年4月7日 2子局  
ストーリーを作りながら打った

 2006年11月2日 2子局  
思い切った根性の手

 2007年10月4日 2子局
光る石に幸あれ

 2008年1月6日 先番  
行く年来る年・ビックなお年玉

 2008年8月7日 2子局    
頭からぶちかまし稽古に出た

 2009年3月5日 5子から先へ  
プロアマ置碁打ち込み決闘五譜

 2009年7月7日 定先 
 独創的佳手と俗手織り交ぜて