第61期王座戦挑戦手合五番勝負 第5局 12月16日(火)

互先 村川大介七段 vs  先番 井山裕太王座
          
     先番コミ6.5目出し

優勝 226手以下略  白1目半勝ち


                            
    2014年12月16日
                                        高野圭介 ネット観戦記

                                       文中、*印は浜辺荘論評

村川大介王座獲得第5戦               
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井山裕太王座 vs 村川大介七段   解説は 今村俊也九段。


いよいよ決戦の火蓋は切られた。握り直しての対局である。

浜辺さんからのメールです。
「夜には勝利の祝杯を挙げたいですが、若きエース達を見ていると
これから何度も楽しませて貰えると思うので、本当に有難い事です。」


この春(2014年4月)のこと、村川大介先生は私とペア碁を組んで対局したとき、
高野さん好みの布陣は?と聞かれ、「高中国流」と答え、そう打ちました。した。
その先番布石を村川先生は本局白番で打ったとは!・・・感無量です。
第10回関西医師会碁会

白18と上辺ケイマ受けは高中国流では思想が矛盾しており、たぶんキカサレ。
私(アマ)の感覚では19と中に一間トビがいいと思います。

しかし、井山の黒23は新手ですね。余り見たことはありません。
白は中へはトベず、ツケしかありませんが。

 
*白28が筋に入り、白優勢だと思います。 黒の下辺は、少し凝ってる用に思う。 浜辺評

 昼食時、謝依旻@yimin1116の pic.twitter.com/xthCqsCZh6 ツイート書き込みで、
白38までの形勢判断について述べている。

「王座戦最終局が始まりましたね!!形勢はまだ分かりませんが(^_^;)
私は黒を持ちたい気分ですね。~~~」


白44から先は私としてはもうお手上げの世界。しばらく見守るのみ。

白50からコウが始まった。
コウ争いで、例え取られても、ポン抜いて味も素っ気も無いようなことは絶対しない。
つまり、死んでも盤上の石は命だけは残っているという。凄いなぁ!

白64で、右辺は黒。左辺は白と、盤上は二分された。
評者・今村俊也九段はここでは白優勢と評。
コンピューターは黒3.5目優勢とのこと。

 
白66アゴの急所に迫って碁は佳境に入った。

いよいよ難解と思った途端、黒67ハネ、白68。この交換は白に軍配をと思う。
ひょっとしたら、滅多に無い井山のヨミのエアポケット・ポカかも知れない。

それは素人の浅ましさだった。井山マジックか
両者はどこからでも、どんな変化でにも対応出来るというのを見せつけられた。

井山はコウに強い。黒85と突き抜けては黒優勢と今村評。
コンピューターも12.5目黒優勢と変わった。
持ち時間残り、井山10分、村川50分。

村川・井山の棋風の分かれ目が来た。
左辺で白86、88とさらに白が手をかける一方、井山王座は黒87、89と上辺に回る。
いずれに軍配が上がるか??

私の予測。白90が当たった。観戦していて、気分が良い。
今村評で「形勢判断に自信が無いと、この白90は出てきませんと。」
いよいよ見守る以外無い。


白90から激しい乱戦に入ったが、
黒111の一間飛びで右辺の白が大きく飲み込まれそうになり、
「黒が打ちやすくなった」と解説の中尾準吾八段評がある。

でも、黒91は勝ちました宣言に見えた。
最後の決戦場右辺、白92ツケ。何と、見ごたえのある攻防だが、想像も付かない進行だ。

大詰めに来て、黒111一間トビは手無しと見た井山二度目のポカか。すわ、事件勃発!
ともあれ、黒125カケで、少なくとも振り出しに戻った。
逆転しているのかも知れない。

守りに入った安易な白132が負けたら敗着かも知れない。味良くて勝着なのかも知れない。
ただ、その上にマゲつけて、黒手入れ。後、ハネて、キッて、白勝ちコースでは無いだろうか。

 
果たして中の黒は捕まるか?捕まりそうに無いか、それが問題だ。
白は巧みに中の一子をツナいだ。いよいよ攻め合いの大捕物帖。
白、奮迅の働きで、チャンス到来か。
後は、あれよあれよと見る間に白が黒を召し捕った。

立会人の中野寛也九段を含む控室の検討では
村川七段は白130から中央の黒に攻めかかる。その攻防のなかで、
黒163、165、167と動き出した井山王座に誤算があった。
「白168で、中央の黒石を大きく取られては逆転」となった・・・と言う。

最後のヨセは黒が相当ヨセたらしいとは今村評。
それでも、黒は追いつけなかったという終局だった。
私の目には二転三転したように見えたが、浜辺さんはずーっと白が押していたという。

**見てるだけで疲れれました。井山をねじ伏せて勝ちましたね。
少なくとも、肩を並べたと言っていいでしょう。超えたのかもしれません。
恐るべし、村川大介。   浜辺 荘