優勝総括 恐るべし急成長! 村川八策 村川は兵庫県西宮市出身で森山直棋九段門下。今年これで44勝(18敗)とし、 中韓の棋士と競う国際棋戦でも好成績を残した。井山を追う同世代の筆頭格で、 この五番勝負では戦いから逃げずに粘り強く打ち続け勝利をたぐり寄せた。 (井山王座は)日本で一番強い。勝てたのが不思議でしょうがない。 村川は「力を出し切れた。タイトル獲得は信じられない。 まだまだ強くならなければ」と語った。 2014年12月17日 お祝いの言葉 浜辺荘 :高野圭介 |
|||||||||
恐るべし急成長! 村川大介 村川大介、おめでとう!!王座戦第5局観戦記 浜辺 荘 日本列島をシベリアの低気圧がもたらした、寒風が吹きすさぶ師走の16日に、 三重県鳥羽市の由緒ある老舗旅館、戸田屋の特別室では、 日本の囲碁界を背負って立つであろう、若き二人のエースが、 10時間にも及ぶ誠に熱い戦いをくり広げていた。 片や日本の7大タイトルのうち、6つ迄独占し、 このところ碁会に敵なしの様相顕著な日本棋院所属棋士、井山裕太若干25歳。 此方番碁の経験こそ無いものの、少年時代より天才井山裕太の後影を追って、 一歩一歩頂点を目指して努力を重ねて来た関西棋院所属棋士、村川大介24歳。 二人が戦った王座戦では今年一年のタイトル戦を締めくくるにふさわしい、 激しい闘志のぶつかり合いが盤上を凌駕し、囲碁の持つ素晴らしさを再認識した人も、 プロ、アマを問わず多かったのではないだろうか。 私にとって、少年時代より、井山・村川共二人をよく知っていて、 強い子がいるなあ、ひょっとしてプロになるかもしれん、と言う程度にしか考えておらず、 軽い気持ちで何局も打った子供達がそろってプロの最高峰でしかもタイトル戦を争うとは、 夢にも考えなかった出来事なのである。 恰も、年末ジャンボ宝くじ一等を二本当てた様な心境なのである。 第5局は、序盤は誠に穏やかな進行で、二人とも硬くはなっていないだろうが、 勝った方がタイトル戦を制すとあって、大事に打っているのかと思っていた矢先、 高野先生から井山の放った黒23の手に、早々とメールが送られて来ました。 「中略・・・しかし、井山の黒23は新手ですね。余り見たことはありません。 白は中へはトベず、ツケしかありませんが。」 そして、この黒23の一手が発端となって、 コウにつぐコウ、振り変わりの連続、大石同士の攻め合い、 囲碁の醍醐味が盤上に繰り広げられ、「大事に打っている」と言う私の感想は 寒風と共に飛び散ってしまったのでした。 判官びいきで、高野先生には、以下のメールを送りましたが、何の根拠もありませんでした。 「数える碁にはなりそうもないですが、井山が苦しい様な気がする。僕にはもうお手上げです」 思えば、今年10月22日に神戸しあわせの村で碁吉会があり、 大分の碁楽会と共催で王座戦第1局解説会を開きましたが、 朝バイキングでご一緒になった、関西棋院の家田先生にアドバイスを頂いていた折に 「村川は、ここ二、三年のうちにタイトルを取るのは間違いない!」と仰ってましたが、 まさかあれから二ヶ月も立たないうちに、初挑戦で初タイトルを取るとは、 考えて無かったかもしれません。 我々の予想を遥かに超えるほど、村川大介は急成長しているのではないだろうか、 恐るべし村川大介である。 |
|||||||||
村川八策 白番高中国流極意を第五戦に探る 高野圭介 村川大介先生が囲碁生命を賭けた五番勝負背水の決戦に、 白番で高中国流で対峙したことはまさに青天の霹靂であった。 高中国流は地に甘く、なかなか打ち切れないとしたものだ。 高中国流は特に,黒番專科と認識していたからである。 私は1995年から20年間、ずーっと高中国流專科で碁と取り組んできた。 第10回関西医師会碁会 そして、2014年4月、アマプロペア碁大会で、村川大介先生と組んで、 一回戦:今村俊也組、二回戦余正麒組に勝って、決勝戦は瀬戸大樹組に敗れた。 その時もすべて、村川先生と高中国流で臨んだものだ。 実に感慨深いものがある。 |
|||||||||
|